どさんこ九州に住む

北海道民が九州に移住。日々感じるカルチャーショックを4コマにしました

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4コマ「萩往還を歩いてみた」佐々並→山口(1/6)~佐々並市の歩き方

国選定重要伝統的建造物保存地区がある佐々並市(いち)。
萩市観光協会公式サイトによると、江戸時代から町並みの地割りに大きな変化が無く、建築物、工作物(建物以外の人工物)、環境物件(生け垣、樹木、水路など)が数多く残っているようです。

歩いていても、当時の宿場町の雰囲気を想像しやすかったです。

 

∞∞

その佐々並市ですが、一億年の大噴火でできたカルデラの中心(カルデラの底)に位置しています。

水路の立体交差、初めて見ました。
上手いこと考えて作ったなーって思います。

 

佐々並市ですが、地形的には山に囲われ、幾つかの沢が上流部で合流しています。さらに四方から水が流れ込んでくるという、防災上ではそれほど安全な場所ではないようです。

にもかかわらず、町が今の形になってから4世紀もの間、大きな災害がほとんどおきていないらしいですね。

一つは、川の氾濫の影響を受けない場所まで離れて町を作ったようです。次に、土石流や氾濫の影響を受けやすい場所には人家を建てずに田んぼを整備するといった工夫がみられるようです。
普通は集落を作りやすい谷筋の平地でも、沢がぶつかる地点は避けるなど、建築上のルールを守って町をつくることで、災害から町を安全に保つ仕組みが機能していたようです。

土地が空いているから建てるのではなく、自然と向き合って街を作っていくことが、防災上大切だということなのでしょう。
(参考文献 「文化遺産と災害に強い地域社会」東京戦略会議 H27年 文化財防災センター)

 

※念のため山口県ホームページで気象災害について調べました。昭和41年の豪雨で旧旭村(佐々並が含まれている)を含む地域で被害総額55億円弱の災害が起きているようです。
佐々並付近でも、家屋への浸水などの被害があったようです(佐々並小学校ホームページより)。
それ以外は特に見つかりませんでした。

 

萩市ハザードマップを確認しても、伝統的建造物保存地区のあたりは土砂災害警戒区域には入ってないです。

水が豊富な山間の町としては確かに災害が少ないかもしれません。

 

∞∞∞

宿を出発する朝、宿のご主人に水路を案内していただきました。

洗い場がある水路がありました。

今のように上水道が整備されていない時代、水道の無い時代の方が長かったということを考えると、これはとても重要な設備です。「洗う」という家事が水をくみに行かなくても川に行かなくてもできるのですから。コミュニケーションの場にもなっていたでしょう。

東北の昔話に関する本を読んだとき、「娘を水路の近い家に嫁がせたい」という話が出てきました。水くみは嫁や子どもの仕事だったということを考えると、切実な願いだったろうなというのは想像に難くありません。

 

佐々並市の道路の中央には金属製の大きな格子状の蓋が並んでいます。
これは「融雪溝」です。この下にも水が流れていて、冬になるとここに雪を投げ入れて排雪するようです。

歴史的に重要な建物が道脇にあって、大型の除雪車は入れないようです。うっかりぶつかったり、押しのけた雪で壊れる危険性があるからでしょうね。 

 

流水で排雪できるっていい仕組みだなーって思います。うらやましい。
ねこさんが北海道で住んでいた場所では・・・

川すら凍っちゃうから無理だね。

 

さすがに凍ってるのは川面だけだろうけど(と思う)、下手に排雪して底まで雪が詰まっちゃったらエライことになっちゃう。洪水になること間違いなしだよ。

 

※なお、札幌には公の融雪溝や融雪槽があるようです。河川水だけではなく処理水や温泉水を使い、清掃工場や地域暖房の夜間余熱などを利用しているようです。

 

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