博物館の収蔵品も見て回りました。
∞名槍「日本号」
もとは皇室の所有物で、槍なのに正三位という位を賜ったという伝承もあるらしいです。
正三位というのは神様等に授けられた位です。人間なら大納言相当。有名な大納言といえば「岩倉具視」。懐かしの500円札の人ですね。記憶にあるって、世代がバレる?
日本号は、御手杵、蜻蛉切と並んで、天下三名槍の一筋とされています。
刃長が30.3cmを越えると大身槍と呼ぶそうですけど、日本号は倍以上です。
もっとも、この槍が名槍と言われる所以は大きさではなく、その美しさや完成度と言われています。
柄は、全体に四角い小さな螺鈿が施されていて青く輝いています。刀身の部分には、剣に竜が巻き付いた模様、倶利迦羅文(不動明王を表している)が浮き彫りになっています。
戦国時代の武器武具は工芸品というか、実用一辺倒ではなく美も意識した意匠のものが多いです。その中でも際立つ美しさではないでしょうか。
∞「黒田節」
この日本号には有名な逸話があります。
簡単に説明すると、黒田家家臣の母里太兵衛が、アルハラ福島正則から呑み取ったってエピソードです。
黒田節という「酒は呑め呑め」で有名な民謡の歌詞になった出来事です。
⇩詳しい内容は、ぱうすむむりくさん、にゃおタビさんのブログで読むことができます。
wakuwaku-nikopaku.hatenablog.com
名槍「日本号」が作られたのは室町時代後半ではないかと言われているようです。それを1500年代ぐらいだとすると、おおよそ500年前でしょうか。その長い時間、紛失することなく手から手へと渡り、今、福岡市博物館に展示されています。
日本号に関するエピソードはなんとなく聞いたことがありましたが、まさかそれが今も現存していたとはびっくりでした。
歴史で語られるいろいろなエピソード。それに関わる物が実際に目の前に現れると、時間は点ではなく、線で繋がっているのだなと実感します。
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