人の皮膚には「濡れている」を感受するレセプターが無いそうです。
では、なぜ、「濡れている」とわかるか。
ネットで調べたところ「文化女子大」の方が書いた論文が見つかりました。
ねこさん、振れば音のする頭を総動員して読み取りましたよ。
皮膚が「濡れ感」を感じるのは、「温度・熱流量の変化が主たる要因」だそうです。
温度
低温ほど「濡れ感」を感じやすく、皮膚と同温の場合は感受性が低下する。
熱流量
例えば気化熱による皮膚温の低下など。
蒸発が起こらないようにする(熱移動が起こらない)と、「濡れ」の感受性が鈍い。
だそうです。
つまり、温度の低い洗濯物に触ると「あれ? これ、まだ乾いてない?」となってもおかしくないのですよ。
濡れている部分があれば、そこは他よりも冷たい(場合によっては凍ってる)はずですから、全部同じように冷たいのなら、乾いているんですよ。多分。
洗濯機に手を突っ込んだ時、濡れている感じが分かりにくいという経験は、九州に引っ越して初めてしました。
洗濯機のスイッチ押し忘れたかと思いましたよ。
綿製品は思わないです。触り心地も濡れると変わりますしね。
が、一部の化繊で感じます。
一か月ほど、温度を計ってみました。
室温は24℃~28℃、湿度は50%~70%でした。
残念ながら、この間「全然濡れている感じがしない」という現象はあらわれませんでした。
「分かりにくい」時はありましたので、その現象が起きた条件を考察します。
温度に関して
濡れ感が鈍くなるのは、
「洗濯機の庫内」と「洗濯物」の温度差が±0~-0.5℃未満
の時が多かったです。
特に、温度差が0℃の時です。
比較の為、乾いている布製品の温度も計りました。
室温とほぼ同じ温度でした。
経験的に「室温と同じ温度の物は乾いている」ということを知っているので、濡れているセンサーが働かないのかなと思いました。
なお、濡れ感の少ない製品と、そうではない洗濯物の温度差は-0.5~-2℃のことが多かったです。
熱流量に関して
綿製品に比べ、化繊は水分の吸水量が少ないと、家庭科で習ったことがあります。
念のため調べてみました。
脱水後と乾いた後の重量差から水分を割り出し、100gあたりの製品に対し何g水分が含まれるか計算しました。
綿100%のタオルは87g
濡れ感が少ない化繊のTシャツは26gでした。
つまり、手の温度を奪う水が少ないのですね。
梅雨前に「あれ? 濡れてない?」と思うことは無かったので、湿度も関係あるかもしれません。
湿度が高いと気化が起きにくいので、熱が奪われにくいようですし。
しかし、室内の湿度との関係ははっきりしませんでした。
空気中に水分がたっぷり含まれているのを感じるような日が、記録をとっている間に訪れなかったからかもしれません。
庫内の湿度はうまく計れなかったのですが、洗濯機の蓋を開けておくと、洗濯物の温度が下がって行きました。
閉めて温度を計るとそうではありませんでした。
そのことから、庫内は庫外より湿度が高いと思われます。
もっとも、洗濯機の運転による発熱や、脱水の回転による摩擦熱によって庫内の温度が高かったという可能性もあります。
その場合は気化熱による温度の低下ではなく、放熱による温度の低下が起きたということになるのでしょうか?
庫内が庫外より気温が高かったことはなかったのですが(ほぼ同じ時が一番多かった)、水温より高い時があります。
なので、庫内の温度は一つの要因だけで構成されるものではないかもしれません。
一年を通して調べるともっとはっきりするのでしょうが、飽きました。
なので、結論?
洗濯物の濡れ感が鈍くなるのは
「製品の保水量が少なく」、
「洗濯物と周囲との温度差が少ない」と起きやすい。
なおかつ「周囲の湿度が高い」とその傾向が強くなる可能性がある。
と、いうことでしょうか?
まあ、実験室で厳密に調べたわけではないので、どこまで正しいか分からないけどね~。
きちんと綺麗に洗えて、しっかり乾いてくれれば十分なんだけどね。
「なしてだべか」
と、思ったから調べてみたよ。